フリーメイソンの蔵書票
様々な都市伝説や陰謀説に彩られた謎の秘密結社、というイメージがあるフリーメイソン(Freemasonry)。その真実の姿は知るよしもありませんが、現在も世界中に支部を持ち、多くの会員を擁する友愛団体として活動しています。その起源は16~17世紀のスコットランドであるという説や、エジプトのピラミッドが建造された時代からという説まで様々あります。元々は石工職人のギルドがルーツであったらしく、その象徴には...
View ArticleHermann Bauer 暗黒のメルヘン
Hermann Bauer (1892-1976)ヘルマン・バウアーはドイツ、ザクセン州、Markneukirchen 出身で、ミュンヘンアカデミーで新分離派の画家Adolf Schinnerer に師事しました。しかしそれ以外は全く正体不明の画家なのです。 美術史の片隅にも登場しないこの謎の版画家?が、非常に印象的な蔵書票を残しているのです。...
View Articleヒュギエイアの杯
蔵書票に描かれた蛇 3. ヒュギエイアの杯 (Bowl of Hygieia) アスクレピオスの娘ヒュギエイアが持っていたとされる、一匹の蛇とともに描かれた杯の図を「ヒュギエイアの杯」と言います。これも医学関係の象徴として良く用いられますが、こちらは薬学、清潔、衛生、健康、婦人医学、繁栄、等の象徴とされています。 Hans Bastanier Anna Mackova...
View Articleケーリュケイオンの杖
蔵書票に描かれた蛇 4. ケーリュケイオンの杖アスクレピオスの杖に似ていますが、こちらは二匹の蛇が絡み、上部に翼が付いています。元々はギリシャ神話の、神々の伝令ヘルメスが持っていた杖です。使者の標しなので他の者が持つ場合もありますが、最もポピュラーなのはメルクリウス(ヘルメス と同一神として扱われる神...
View ArticleHenry Somm 巴里に消えた男
Henry Somm (François Clément Sommier) (1844-1907) アンリ・ソムは1844年フランス・ルーアンに生まれました。本名はFrançois Clément Sommier でHenry...
View Article梟 夜の賢者
そのなんとなくユーモラスな風貌と、森の賢者的イメージでマスコットとしても人気がある「ふくろう」は、古来蔵書票にも多数描かれて来ました。古代ギリシャの女神アテーナ(ローマではミネルヴァ)は、英知、学芸、哲学、戦略、農耕、等の女神です。彼女が住むアクロポリスのパルテノン神殿に自らの聖鳥として飼っていたのが梟でした(正確にはコキンメフクロウ)。したがってアテーナの特性がそのまま象徴として使われますが、その...
View Article猫が描かれた蔵書票に魅了される私は既に猫男爵
現代日本における「猫」は、もはやただの動物、ペットの域を超えて、文化、芸術、芸能、キャラクターマーケット等あらゆるジャンルを浸食した「猫文明」を形成する程の存在となっています。 人類との付き合いも古く、農耕文明が始まった頃には既に人間との共存関係にありました。収穫した穀物を鼠から守る益獣として飼われ、鼠が媒介するペスト等の疾病も防いでいました。...
View Article私の蔵書票 1. Franz Liszt
ようやく私の蔵書票が完成しました。クラシックオタクなもので、音楽家でシリーズ化しようと考えています。第一弾は「フランツ・リスト」です。稀代のイケメンピアニストにして作曲家、魔的な蒼い炎を纏った胡散臭きトリックスター、リスト。 どなたか交換お願いします。 手書きのロットリング画によるデジタル版画。制作はイラストレーター Bydlo はがきサイズ
View ArticleFranz von Bayros が描いた音楽家票
エロチックな作品ばかりが注目されるバイロスですが、彼の描く蔵書票の中には音楽をモティーフにした作品や、高名な音楽家が描かれた作品も多数存在しています。彼の活躍したオーストリアのウイーンは音楽の都として知られていますが、当然演奏家、作曲家、音楽業界関係者らが多く居住していました。バイロスの人脈にも、いわゆる業界人が多数存在しており、かのワルツ王ヨハン・シュトラウスとも親交がありました。バイロスはその縁...
View Article我が友は犬 我が恋人は猫
蔵書票に描かれた犬たち野生動物であった原始の犬族が、どのような契約で人類と共存するに至ったのかは知るよしもありませんが、単に餌を与えられる事の対価にしては犬の人への献身は度が過ぎています。それは時に感動的ですらあります。なにしろ犬は人と違って絶対に裏切らないのですから。 象徴としての犬は、忠誠、献身、勇気、友情、多産などを表すとされ、狩猟好きや武人系貴族等が好んで紋章、蔵書票に描きました。...
View Article蔵書票に舞い降りた鷲
勇壮で力強い鷲の姿は、強さ、力、勇気、不死、遠大な視野、神の使者(もしくは神そのもの)、などを象徴するとされています。 古くはローマ帝国の国章に用いられ、以来様々な国、貴族、団体が象徴として使用して来ました。...
View Article白鳥と鶏のブルース
白鳥と言えばLed Zeppelinフリークの私は、彼らが設立したレコードレーベルSwan Song Recordsのマークを今でも想い出します。このマークは白鳥の羽根を持つ男性像(股間が描かれていないので両性具有かも)でしたが、様々な神話・伝説の中で白鳥は時に男性であったり女性であったりと、その姿を変化させています。ちなみにSwan Song...
View Article女神の竪琴
楽器を演奏するシーンは蔵書票の画題としてよく描かれていますが、中でも竪琴(ハープ)を持つ女神像(女性像)は最も頻繁に登場するキャラクターです。ギリシャ神話に登場する文芸、芸術の9人の女神MUSAは芸術を愛する票主達に好んで描かれました。9人の中で竪琴を持っているのは合唱と舞踏を司るテレプシコーラと、独吟叙事詩の女神エトラーですが、どちらも音楽が欠かせない要素なので、それを象徴する竪琴を持っているので...
View Articleピアノの景色
ピアノはチェンバロやクラヴィコードを原型とし、現代の形に進化したのは1720年代以降ですので、近代の新しい楽器と言えます。ですので神話や伝説には登場しないのです。19世紀になるとヨーロッパの比較的裕福な家庭を中心に普及し、ピアノの為に多くの音楽が作曲されました。絵画の中にもルノワールなど印象派の画家たちが好んで描いており、家族や女性とともにピアノがある景色は、ロマンスや芸術を象徴する平和なイメージを...
View Article恋するヴァイオリン
ヴァイオリンが現在の形態に落ち着いたのは16~17世紀頃らしいのですが、弦を弓で擦って音を出す楽器はかなり古い時代から存在していたようです。ギターや笛のように簡単に持ち運び出来るので、吟遊詩人や旅芸人などが使用し、祭り、舞踏の伴奏などにも広く用いられていました。ヴァイオリンの音はよく女性の声に例えられますが、その情感溢れる音色は感情表現がしやすく、数々の名曲を生み出しました。現代ではクラシックはもと...
View Article猫が描かれた蔵書票に魅了される私は既に猫男爵
現代日本における「猫」は、もはやただの動物、ペットの域を超えて、文化、芸術、芸能、キャラクターマーケット等あらゆるジャンルを浸食した「猫文明」を形成する程の存在となっています。 人類との付き合いも古く、農耕文明が始まった頃には既に人間との共存関係にありました。収穫した穀物を鼠から守る益獣として飼われ、鼠が媒介するペスト等の疾病も防いでいました。...
View Article私の蔵書票 1. Franz Liszt
ようやく私の蔵書票が完成しました。クラシックオタクなもので、音楽家でシリーズ化しようと考えています。第一弾は「フランツ・リスト」です。稀代のイケメンピアニストにして作曲家、魔的な蒼い炎を纏った胡散臭きトリックスター、リスト。 どなたか交換お願いします。 手書きのロットリング画によるデジタル版画。制作はイラストレーター Bydlo はがきサイズ
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