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Channel: 蔵書票研究所 鎌倉

恩地孝四郎 考える蔵書票

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恩地 孝四郎
1891年(明治24年)72 - 1955年(昭和30年)63日 享年64歳)
東京出身の版画家、装幀家、写真家、詩人。
長女は児童文学翻訳家の恩地三保子。
創作版画の先駆者のひとりであり、日本の抽象絵画の創始者とされている。前衛的な表現を用いて、日本において版画というジャンルを芸術として認知させるに至った功績は高く評価されている
 
木版画、装幀、写真など様々な分野で活躍した。版画においては、抽象絵画の創始者であるワシリー・カンディンスキーらの影響を受け、日本における最初期の抽象版画作品を制作している。大正期には具象・非具象問わず数々の版画の名作を生みだしたが、第二次世界大戦後はもっぱら抽象版画に傾倒し、葉や紐、木片などを用いる手法(マルチブロック)も編み出した。1955年に死去する直前まで創作活動を続け、日本における抽象画の先駆者として前衛性が高く評価されている。
 
装幀家としての活動は版画家としての活動よりも早い。収入を得る手段として装幀の道を歩み始め、竹久夢二や北原白秋に評価されて、大正期末から昭和初期にかけて地位を確立した。戦後は新しい版画技術を導入して新たな道を切り開き、1955年までの45年間に、児童書・学術書・写真集・百科事典など幅広い分野で600点の装幀を手掛けている。
 
恩地が装幀家としての名声を高めるのに貢献した北原白秋のほかに、数々の著名人と交友関係があった。室生犀星はモダンアートに批判的な意見を持っていたが、新聞連載小説の挿絵担当に恩地を5度(15年間)も指名し、交友関係は長く続いた。恩地は1943年に『「氷島」の著者(萩原朔太郎像)』を製作しているが、萩原も「午後」(『第二愛の詩集』所収)で恩地について触れ、恩地の早い死を惜しんだ。


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斎藤清 北国発-北国行き蔵書票

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斎藤 清 の蔵書票  
斎藤 清 (1907-1997)
明治40年、福島県会津坂下町窪に生まれる。
4歳で父親の仕事の関係でふるさと会津を離れ北海道夕張へ移住。
幼いころより絵を描くことが好きだったことから小樽の看板店へ就職。20歳で独立するも、勤勉意欲から上京し、看板業に従事しながら油絵を独学。公募展へ出品、入賞を果たす。
安井曽太郎氏の木版画作品に触発され手探りで木版画制作を試みる。以後、版画制作へ傾倒していく。
1948年、進駐軍高官夫人による若手日本人芸術家の支援を目的とする展覧会、サロン・ド・プランタン展において<ミルク>が1等賞を受賞。1950年、サンパウロビエンナーレ展に出品された<凝視(花)>が在サンパウロ日本人賞を受賞。この受賞は戦後日本人としては初めての国際展での受賞となり、日本の現代版画の素晴らしさと斎藤清の名を世界中に広めることとなった。以後、国内外で数多くの栄誉に輝き、1995年、国の文化功労者に顕彰される。
1997年、永眠。享年90歳。

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クロノス or クロノス

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クロノス or クロノス
Kronosは巨人族ティターンのボスでゼウスの父親ですが、大地と農耕の神でもあります。アダマスの鎌と呼ばれる大鎌を持つ姿で描かれます。
よく混同されるのが時間の神Khronosで、こちらは時計(時代によって砂時計だったり文字盤だったりします)と共に描かれます。
結構両方描かれている図が多いので識別が難しいのですが、同一視されている事も多々あるようです

 Max Klinger

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JULIAN JORDANOV
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 作者不明 
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Bauhaus スタイル

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バウハウススタイルの蔵書票
今は無きドイツの美術学校 Bauhaus は、1919年から1933年までのわずか14年間しか存在しませんでしたが、後世の建築、デザインの流れを大きく変える程の影響を残した伝説の機関です。
バウハウスはドイツ語で「建築の家」を意味する位ですから建築、インダストリアルデザインが特に有名ですが、グラフィックデザインにおいても大きな影響を残しています。なにしろ講師にカンディンスキーやパウル・クレーがいた位ですし、モホリ・ナジはタイポグラファーでもありましたから、機能的で合理的、かつ芸術的なバウハウス流グラフィックのスタイルは今見てもクールでカッコエエのです。
解体後紆余曲折を経たバウハウス流ですが、その理念は近代デザインの礎として現在まで継承されています。
バウハウスデザインの影響を受けた蔵書票は、タイポグラフィと平面構成を基本としたスタイルが特徴的で、ドイツのみならず、アメリカ、カナダ、ソ連他旧共産圏にも多く見られます。
Paul Schuitema  (1897-1973)オランダ
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 以下作者不明
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ロマン主義とファエル前派の蔵書票

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ロマン主義とファエル前派の影響を受けた蔵書票
蔵書票のデザインには、表の美術界の流行が合わせ鏡のように取り入れられており、その時代毎の美術様式の栄枯盛衰を蔵書票の中にも観る事が出来ます。
19世紀のイギリスに興ったラファエル前派は、ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレーらが有名ですが、思想的な面は置いといて、画題としては中世の伝説や古典、さらに同時代の文学などをテーマに、細密な自然描写と神話的でロマンティックな画風を特徴としています。
バーン・ジョーンズやウイリアム・モリスらに影響を与え、象徴主義の先駆とも言われていますが、一部は後のアール・ヌーボーにも繋がって行きます。
蔵書票では当時のイギリスを中心に、ドイツ、オーストリア、ベルギー、スペインにも影響を受けた絵柄の票が存在しています。
H.Willsoh (英)
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Henry Ospovat (英)
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Alexander Rothaug (ドイツ)
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Charles Robinson (英)

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Robert Anning bell (英)
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川上 澄生 異国の風よ

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川上 澄生(1895-1972)
明治28年横浜市生まれ。青山学院高等科卒業。
同級生に木口木版画家合田清の長男、弘一がいた関係で木版画に興味をいだく。中等科卒業のころ木下杢太郎(大田正雄)の戯曲集「和泉屋染物店」の木版12絵(絵・杢太郎、彫、伊上 凡骨)に接して木版を試みようと意図し、また同時期には竹久夢二の作品に深く魅了された。
大正6年から7年(1917-18)父の勧めで渡米しカナダ、アラスカを放浪した。
大正10年、栃木県立宇都宮中学校の英語教師となり、大正13年第4回国画創作協会に素描を出品、昭和2年には日本創作版画協会会員となった。また昭和5年から国画会展に出品を続け、昭和17年同会同人 に推挙されている。
昭和2年に発表した作品「青髯」は棟方志功をして版画に志ざさせたと伝えられている。
初期には19世紀西洋風俗を題材としたものが 多く、昭和10年代になると新村出著「南蛮広記」等の影響をうけて南蛮紅毛を主題とした作品が現われる。
明治開化の情趣、南蛮紅毛の異図趣味を持つ詩的な作風はその自作の詩とともに多くの愛好家に親しまれた。


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Heinrich Hönich

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Heinrich Hönich (1875-1957) ドイツ
ドレスデンの美術アカデミーとプラハのファインアーツアカデミーで学ぶ。
その後ミュンヘンに居住し、風景画、版画を中心に制作活動を行う。またポスター等のグラフィックデザインやリソグラフ、蔵書票も数多く制作した。
1928年から1945年までプラハ美術学院の教授を務めた。
彼の制作した蔵書票は、その確かな描写力をベースにリアルなタッチで神話的、象徴的な世界を描いたものが多いが、惜しむらくは初期のリソグラフによる解像度の低いプリントが多く、原画再現性が今一つな点で、これがバイロスのようなヘイリオグラビュールでの制作であればその評価はもっと高かったであろうと思われる。しかしながらそのセンスと実力は残された蔵書票からも十分伺える。


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Alfred Teuffel 知られざる名匠

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Alfred Teuffel
(1892-1942)ドイツEssen出身シュツットガルト育ち。
 10代から銅版画を制作し初め、1913年からミュンヘンで建築を学ぶ。
建築家として働きながら、銅版画でシュヴァーベン地方やアルプスの城と山の風景を多く描きました。建築家らしい正確なパースと抜群の技量で、素晴らしい蔵書票を制作していましたが、結核のため55歳で世を去りました。

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 死の島
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Erich Heermann

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Erich Heermann (1880-1947)
ドイツの銅版画家ですが、物凄く巧いので以前から気になって色々調べたのですがほとんど情報が無くわかりませんでした。
しかし巧い。特に人物像は圧倒的。
こんな職人がゴロゴロいるのが蔵書票の世界です。

 スフィンクス
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 ダンテの肖像
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聖書と蔵書票

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聖書と蔵書票
西洋における書籍出版の歴史は聖書と共にあると言って過言ではありませんが、蔵書票においても聖書、キリスト教は重要なモチーフでした。
紋章型蔵書票においては宗教的図像、象徴は重要アイテムであり、票主の信じる所の宗派や結社のマークがどこかしらに印されている蔵書票が多数見られます。
近代以降では直接聖書の名シーンを絵として描いたドラマティックな蔵書票が現れ、その想像力と技術を競っています。
蔵書票に宗教的図像や内容を描くのは、信仰という面は勿論ですが、蔵書、知識、財産等を守護してもらう護符的な要素もあったのです。

 作者不明
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Marguerite Callet-Carano
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  Franz von Bayros
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         Ivan Miladinovic
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  Julian Jordanov
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Gian Luige Uboldi 
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